らでぃ、日本語で『ハツカダイコン』
外国じゃ、ラディッシュ=大根(全種)になる。

ちなみに、親戚のでーこん。
彼は、“ジャパニーズ•ホワイト•ラディッシュ”か外国でもそのまま“ダイコン”
なので、ラディッシュとは区別されてたりする。
そう言えば、私のこの姿形のせいでかーぶんが迷惑してるらしい。
“今度、会った時にお話ししてみよう!”
らでぃ、体がちっちゃい。
だけど、赤紫色だから目立つ。
なので、でーこんの白さや。
あの大きさがちょっと羨ましい。
でーこんみたいに大きかったら、
見える世界が違うんだろうなぁ〜
…と思う。
けどね、最近その思いをお風呂の時にお話ししたの。
桜島のお兄ちゃんと、守口のおじちゃんに。
そしたらね。
1番身長が長いのは守口のおじちゃん。
だけど、ひょろひょろだから、しゃんと出来なくて、
高いところからは見れないんだって。
桜島のお兄ちゃんは、体が1番おっきい。
けど、体型はらでぃと変わらないから、ちょびっと高いだけなんだって。
やっぱり、高いところから見下ろせるのは、
でーこんだけなんだって言ってた!
“でーこん、良いなぁ〜”
段々と沈んでゆく太陽を眺めながら思う。
そんな、らでぃの視線の先…
“あ! あそこに居るのは!”
「か〜ぶ〜ん!」
急いで走り寄ると、かーぶんあからさまに嫌そうな顔。
“ちと悲しい。。。”
「かーぶん! ぼく、かーぶんが嫌な事したかな?」
「い…いや」
「じゃあ、かーぶんを怒らせる事した?」
「してない」
「じゃあ、じゃあ……ふがっ!」
『らでぃ、かーぶんが困ってる』
でーこん登場。
困り顔のかーぶんに詰め寄る(?)らでぃの口に手を当てて止める。
「オレたちが悪いってわけじゃない。でも、ダイコンに間違えられるのは気分が悪い…だよな?」
コクコクと頷くかーぶん。
らでぃは、そのやりとりに色々と納得。
「色々すまないな」
でーこん、かーぶんに謝ると…
かーぶんとらでぃを抱き上げて、自分の葉っぱの両脇に座らせる。
「間違えられるのは嫌かもしれないが、オレたちと仲良くしてくれないか?」
怒りたくて、怒ってるわけじゃないかーぶん。
かーぶんもみんなと仲良くしたい。
でも、心にモヤモヤが大きかっただけ。
そんなかーぶんの心をでーこんのゴメンが溶かしてゆく。
「………。いいよ」
「やった! かーぶんとお友達!」
かーぶんの返事に、らでぃがはしゃぐ。
ラディのはしゃぎように、
かーぶん嬉しくてちょっとほっぺが赤い。
そんな、ちびっ子を自分の上に乗せたまま。
でーこん、ちょっと小高い丘の上に立つ。
視界の先に広がるのは、夕日に染まった山や段々畑や田んぼ。
おやさいが、元気に暮らす農園。
「「すごく綺麗だね」」
らでぃとかーぶんの声が重なる。
顔を見合わせてふふふっと笑う、らでぃとかーぶん。
何を思ったか、でーこんの上からぴょんと飛び降りるらでぃ。
振り返った顔には満面の笑み。
「かーぶん、今から何して遊ぶ?」
「えっ? 今から?!」
「うん! 今から!」
早く早くと急かすらでぃに、かーぶん目を白黒させながら着いてゆく。
でも、楽しい。
「暗くなる前には帰れよ」
「「はーい」」
でーこんの言葉に返事をした、らでぃとかーぶん。
夕日のなかで仲良く遊ぶのでした。
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